教育訓練給付と資格講座を、一次情報で調べる40代のための記録

40代からの学び直し手帖

制度の条件と費用を、確認日つきで落ち着いて整理します

経産省のリスキリング支援と教育訓練給付はどう違う? 併用できない理由と選び方

確認日:2026-11-04

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【2026年11月4日追記:経産省の事業の現在の状況】

この記事で取り上げる経済産業省「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」は、事業者の公募が六次公募(2025年9月16日締切)をもって終了しており、新しく参入する事業者は増えません。これから利用する場合は、すでに採択されている事業者を通す形に限られます。

個人への支援の終期は、公募要領では令和8年度末(2027年3月)までとされてきました。一方で、2026年10月26日に公式サイトで「事業期間の1年間の延長について」が告知され、一定の要件を満たした事業者については補助事業の期間が延びることになりました(転職後のフォローアップの終期は令和10年度末まで延長)。ただし、延長の対象になるかどうかや受付の期限は事業者ごとに異なります。申し込みを考えるときは、この現況を前提に、公式サイトと利用先の事業者で最新の受付状況を必ず確認してください。以下は、両制度の仕組みの違いを整理した本文です。

学び直しの費用支援には、よく似た名前の制度が2つあります。厚生労働省の「教育訓練給付」と、経済産業省の「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」です。どちらも「費用の一部を国が支援する」点は同じですが、対象になる人と、支援の受け方が根本的に違います。そして、この2つは同じ受講について併用できません。

まず全体像:何が違うのか

項目教育訓練給付(厚生労働省)リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業(経済産業省)
対象になる人雇用保険の加入期間などの要件を満たす在職者・離職者企業に雇用されている在職者で、転職を目指す人
支援の受け方受講費用を支払ったあと、ハローワークへの申請で給付金が支給される(後払い)参加事業者を通じて受講料が割り引かれる形で支援される(事業者経由)
支援の割合と上限区分により20%〜50%が基本。専門実践は追加条件で最大80%(年間上限64万円)修了時に受講費用の1/2(上限40万円)。転職し、転職先で1年継続勤務すると追加で1/5(上限16万円)。合計で最大70%・上限56万円
対象講座厚生労働大臣の指定を受けた講座(指定講座)同事業に参加する事業者の対象講座
窓口ハローワーク対象講座を提供する事業者(キャリア相談は事業経由)

併用できない、ということ

経済産業省の同事業では、教育訓練給付との併用はできないと公式に案内されています。同じ受講費用に対して、2つの公的支援を重ねて受けることはできない、という整理です。

実務上の意味はシンプルで、「どちらの制度で申し込むか」を受講開始前に決める必要がある、ということです。あとから「もう一方のほうが有利だったので切り替えたい」とはいきません。講座の申し込み画面で同事業の対象であることが案内されていても、自分が教育訓練給付の側で進めたほうがよいケースはあります。次項の選び方が参考になります。

立場別の選び方

在職中で、転職まで考えている人

経産省の事業が対象に含みます。修了時の1/2支援に加え、転職と1年継続で追加支援があるのは、転職までを視野に入れた設計だからです。ただし追加分は「転職して1年続ける」ことが条件で、受講直後にもらえるお金ではありません。転職の意思が固まっていない段階では、追加分を当てにしすぎないほうがよいでしょう。

在職中だが、転職ではなく今の仕事のための学び直しの人

経産省の事業は「転職を目指す人」が対象のため、この場合は教育訓練給付が本筋です。資格講座であれば一般・特定一般、高度な専門講座であれば専門実践の指定講座を探すことになります。

離職中・退職を予定している人

経産省の事業は在職者が対象なので使えません。教育訓練給付は、雇用保険の加入期間や離職後の期間などの要件を満たせば対象になり得ます。要件の確認はハローワークで行ってください。なお、失業中の生活を支える教育訓練支援給付金には「受講開始時に45歳未満」という年齢要件があり、40代後半では対象外になる点に注意が要ります。

どちらの要件にも当てはまる人

在職中で転職志向があり、受けたい講座が両方の対象になっている場合は、支援額の見込みと手続きの進め方を比べて選ぶことになります。目安として、受講料が高額で長期の専門講座なら専門実践教育訓練給付(50%が基本、条件次第で上乗せ)、転職支援まで含めて受けたい場合は経産省の事業、という分け方が考えられます。金額の見通しは給付金シミュレーションで計算できます。

注意しておきたいこと

・経産省の事業は予算と公募に基づいて実施される事業です。実施期間や参加事業者は変わることがあり、将来にわたって同じ条件で続くとは限りません。申し込み時点の公式案内で必ず確認してください。

・「最大56万円」「最大80%」といった数字は、どちらも条件を満たした場合の上限です。条件を落として金額だけを比べると判断を誤ります。

・どちらの制度も、申し込みや手続きの順序を間違えると対象外になることがあります。受講開始前の確認が何より大切です。

出典と確認日

確認日:2026-11-04